秋の活動が一段落したのでふりかえりを。
今年は運動会が秋になった影響もアリ、この一ヶ月で14回の外活動。最後の一週間は毎日外! 倒れずに乗り切れてホッとしています。
現在、コドモリくらすが環境教育を担当する幼稚園は6園。
いずれの幼稚園も年に1回ではなく、3~4回のプログラムをさせていただいています。
6月の運動会終わりぐらいから活動が始まって、夏、秋、冬と活動が続きます。回を重ねるたびに子供たちの様子もわかり、少しずつレベルアップしていきます。
子供たちにとって難しい活動とは、
・ルーペやフレームなど、道具やツールをうまくつかえないと成り立たないもの
・探しに行く~集合するなど、動と静が混在するもの
・よーく見る、探すなど、じっくり静かにする活動
・順番を待つ、静かにするなど、ルールを守らないとできないアクティビティー
などなど、できるできないは経験値によるものが大きいと思います。
この学年ならこのレベルというのも一概にはいえないし、普段そういう活動をやったことがあれば、思いのほかすんなりとできるときもあったり。
この子達はできるかな?というこちらの観察眼が問われているようで・・・・(笑)
子供たちは自然を観察する、その子供たちを観察する私たちの目もしっかりと準備しておかなければ充実した活動にはなりません。
この一週間の活動で起きた”想定外”をご紹介します。
その1 年少さんでもルーペOK!
普通のルーペ(2~3倍に見える)を持たせて森で観察というのは今までもやってきましたが、年少さんに10倍ルーペを使わせてみたのは初めて。急遽の雨プロ対応で、できるかなーと思いつつやってみました。
普通のルーペは、裸眼で見えるので、ルーペを上手に使えなくても見えるという安心感がありますが、この10倍ルーペ、肉眼で見る景色と全く違うものが見えるので、ちょっと心配していました。「葉っぱを置いて、その上にルーペを置く。片目をつぶる、できない人は片目を手で押さえる。そして見てごらん」と声をかけると、「うわぁー気持ち悪い」「毛はえてる!」「虫いた!」 ちゃんと見えていました。
その2 自由に探しても20秒で戻ってくる
じっくりと観察というのが難しい時に、探すゲームをします。
私が指定したものを20秒で探して、戻ってくるというもの。
見つけても見つけられなくても20秒経ったら戻ってくるという約束をします。
「赤い葉っぱ探してきて!」 20秒数えます。
集合したら、「赤い葉っぱ、お友達と比べっこして、見つけられなかったお友達に見せてあげて。(10秒ぐらい見せ合う)次を探しに行くから、葉っぱさんさよならー(捨てる)」
という感じで、葉っぱやドングリなど拾ってこれるものを中心に、テンポよく何度か繰り返します。
この活動は、どこに何があるのかを知る、自分はわからなくてもお友達が持っているものから知ることができる、とにかく走り回りたい、動きたい子たちのウォーミングアップになります。ただし、20秒で戻ってくるというのが基本。何秒にする?というのも子供たちに決めさせます。自由に行かせて、ちゃんと戻ってくるのか?心配しちゃう子たちもいますが、やってみると意外や意外。走り回りたい気持ちよりも、1番に見つけたい気持ちの方が勝つようです。見つけたら急いで帰ってきます。
その3 年中さん、探し方も成長してました。
この秋のプログラムでは、大きなビンゴ合戦をしました。クラス対抗で、25マスのビンゴをするというもの。
まずは2人ずつ探してもらいましたが、後半は自由に。とにかくコンプリートするぞ!という感じで、色んなものを拾ってくる。
”いきもののあと”というコンテンツで、リスの食痕を拾ってきた子たち。
すでにほかのお友達が拾ったものが貼ってある。なんだあったのかと寂しそうに捨てたかと思ったら、「これっていいにおいしない?」と言い出し、”いいにおい”のところへ。それを見ていた子たちも、赤い葉っぱをもってきて、”赤い葉っぱ”が既にあると、「これ、つるつるしてる、穴もあいてるから誰か食べたよきっと!」と言い出し、コンテンツにあるものを探すから、探したものをコンテンツにあてはめるという活動に進化させていた。
探し方もこうやって進化するんだと感心した。
その4 ドングリ笛は作るのも鳴らすのも難しい!
ドングリに穴をあけて笛をつくるというプログラム。
太めのドリルで穴をあけ、針金で回りをホジホジ。掘ったくずをかき出すのと、周りを広げることで音が出やすくなります。
地道な作業で、子供たちはどうだろう?と思っていました。
最初の10分はみんな無言でホジホジ。そこから飽きてきた、待ちきれないお友達は鳴らしてみる。ところが鳴らすのも難しい。あとの10分は、掘るか鳴らすか自由にチャレンジ。
作り始めて25分、走り出す子もなく、投げ出す子もなく、ドングリに集中する子供たち。
持ち帰って翌日先生に、昨日お家で笛できた~と嬉しそうに話す子もいたよう。
子供たちの姿に、先生も私たちもビックリ。音が出せた子の嬉しそうな顔が忘れられません。
年少さんは、歩くのも大変というレベルから始まって、探す・見つける面白さを体感する、それは何なのか考えてみる、ちょっとだけお話を聞けるというぐらいのところを目指しています。
年中さんになると、決められたものを探す、ルーペで見たり、分解したりしてよく観察する、いきものの生態や樹木のお話を聞いて考えてみる、見つけたもの、感じたことをシェアする、ぐらいまで進化します。
年長さんになると、樹木や生き物、季節の移り変わりを体感し、それを理解することができ、お友達と協力して何かをする、互いに教えあう、学びあうことができるところまで視野を広げることができるようになります。
だいたいこれぐらいの目安で、学年に合ったプログラムつくります。
この秋、一番印象に残ったのは、ある年長さんの活動で、葉っぱシャワーしたりして葉っぱをいっぱい散らかしたあとのこと。
活動の最後にはふりかえりとして少しだけお話をします。
この日は、葉っぱのシャワーと葉っぱの上に寝て葉っぱのおふとんをかけてみました。
お布団に寝てみた子にどうだった?と聞いたら、葉っぱの中は暖かかったと答えたので、
「秋のあとは冬になる。雪が降ったら寒いよね。樹はどうだろう?樹は葉っぱを落として冬眠する。根っこが出ているところは寒くないかな?」という話をしたら、根の周りに葉っぱを集めて、これで寒くないねと。
こういう気持ちを大事に育てたい。
自分達が自然からいただくことばかりでなく、自分たちが森や樹やいきもののためにできることもあるんじゃないかと。広くモノを観じることができるようになったらいいなと思う。
子供たちのこんな素敵な姿や発想に出会えることに感謝です。
活動の様子は各幼稚園がブログやFBで発信していますのでご興味のある方は以下をごらんください。
きくし幼稚園 FB(森の幼稚園)
ひまわり幼稚園 ブログ http://hmwr-kindergarten.blogspot.com/2020/09/in929.html
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