あさひかわで見つけた草花や樹木を紹介します。
ナナカマド、イタヤ、カツラ、ミズナラ・・・・咲く時期、生る時期、北国の樹木はマイペース!
エゾリス、キタキツネ、アカゲラにヤマバト・・・・不思議で個性的な生き物や鳥。

自然って、意外とおもしろいかも?


2022年3月11日金曜日

MOCK モックで遊ぼう♪

雨プロやフィールドへ行く前の事前講座で使えるツール「MOCK」(モック)
もっと樹木を知ってほしくて、遊びながら木の名前や葉っぱ、木の実やタネに興味をもってくれるように作ったカード。
カードの遊びかたや構成、樹種は大塚さんと相談して、遊びかたは二杉さんにアドバイスいただいた。絵は中谷さんが描いてくれた。

近くの公園にありそうな樹種、24種類
・ミズナラ、カシワ、エゾヤマザクラ、
 オニグルミ、シラカンバ、シナノキ、
 カツラ、キタコブシ、ホオノキ
 ヤマモミジ、イタヤカエデ、イチョウ 

・イヌエンジュ、トドマツ、カラマツ、
 クリ、トチノキ、オオバボダイジュ、
 ニセアカシア、オヒョウニレ、ヤマグワ
 イチイ、ナナカマド、イチョウ

それぞれの葉っぱイラスト(2枚で1葉)、
葉っぱのシルエット、実またはタネの4枚で1組。

葉っぱの色も緑だったり、黄色や茶色だったりと、季節によって色が違うことにも気づいてくれるといいな。


遊びかたは、ほぼトランプの神経衰弱。
年少さんなら、葉っぱのイラストだけ使って、右と左を合わせる。
年中さんになったら、さらに木の実も合わせられるかな?
年長さんは、文字が読める子が多いので、言葉も合わせて考える?
 エゾヤマ・マツ? ハル・コブシ? キタ・サクラ?
図鑑で調べたり、公園の樹名板を見に行ったり、そうやって正解を探してくれるといいな
カードは子供たちとお絵描きしながら作っても楽しいね。でも、そんな時間ないよーという方は、私まで連絡ください。(印刷代のみご負担をお願いします)

遊んで終わりのゲームじゃなくて、室内から森へとつなぐツールになったらいいなと願っています。

2022年3月6日日曜日

端箱(ハシバコ)ワークショップ 2022.2.25

 久々の木工ワークショップ、ハシバコつくりました!

かれこれ5年ぐらい前から温めていた企画。やっと形になりました。
自分でやってみたくて、材料刻んだり、トリマー使ってみたり、NCで溝を彫ったらと思い、cad習ってみたり・・・・いろいろと遠回りしましたが、結局のところ小助川さんに作ってもらうのが一番!ということになりました(笑)
正確に材料を刻むのも、溝を彫るのも、磁石の穴をあけるのも、やっぱり難しい。
小さいものだからなおさら。それがぴったり同じものができるなんて、職人ってすごいね。

秋になる頃、キットの打ち合わせ。
 ・できるだけシンプルに、上下同じものにする
 ・磁石やオイルは入手しやすいものを使う(自分でメンテナンスできるように)
 ・磁石を埋め込んで上にレジンをかける(えっ?レジンと木?意外な組み合わせ)
 ・U字の溝をあける(角がないほうが洗いやすい!)
そして、材はもちろん道産材、家具の端材を使うことに! さすが小助川さん!
それなら、箸箱 じゃなくて 端箱 にしよう!



 いいでしょ♪ 並べてテンション上がっちゃいました(笑)
公園に行けば観察することができるし、家具工房のショールームにもよくある樹種です。
でもね、触ってみると風合いも重さも違う。樹木って個性的だと思う。
職人さんはね、そんな樹木の特性も考えながら使ってるんだよって話も子供たちに聞かせたいね。

ワークショップ当日。
小助川さんにも来てもらい、ペーパーがけを教えてもらう。
小助川さんがペーパーかけたのを触って、もっとツルツルにしようとがんばる子供たち。
真剣な顔で約1時間のペーパーがけ。画像がないのが残念。
特に、箸を入れるところの溝は、スポンジのついたペーパーがちぎれるぐらいゴシゴシしてた。触ってみると、本当にスベスベ!プラスチックかと思うほど。
どれぐらいの時間で飽きるかと思ってたけど、まだやりたいの大合唱で、あと30分ぐらいはできたかもね。触ってみてー すごいツルツルだよー ここ丸くしたよー など、上手にできて大人に見てほしいアピール飛び交ってます(笑)
ペーパーがけで時間がかかってしまったので、あと15分、小助川さんに樹木と家具のお話をしてもらって、午前中終了。

給食食べて、午後はオイルがけ。
公園でよく拾うクルミ=リスさんのごはん
子供たちには持ち帰るなと教えておいて、私が一番持ち帰ってる(笑)
割って、つまようじで実を出すんだけど、コレ以外と地道な作業。
クルミを半分に割るのも、実をかきだすのも、手間がかかる。これを毎日繰り返すなんて、エゾリスさん、尊敬しますよ。
ガーゼで包んで、塗る。出なくなったら指で実を崩してね。力を入れてゴシゴシ・・・
色変わったよ、ジワって出てくる、いいにおいする、今日はみんな反応がいいね。
ナッツアレルギーの子はこめ油で対応。
こめ油もクルミも、スーパーに食用のものが売ってるから使いやすいね。


そんなこんなで、完成!
今回は公園で観察した、カバ・ナラ・サクラ・カツラ の4種類を使用しました。
最後には公園で見た樹木のお話もして。
森遊びの思い出と共にある端箱、長く使ってくれたら嬉しいな。

そうそう、うちの娘にも・・・

作りました。
クルミとサクラの端箱。我が家も使ってみないとね。

樹木(材料)があって、職人がいて、家具がある。
家具材になる樹木を育てている人たち、公園や街路樹など私たちの身近な樹木を管理してくれている人もいる。製材や家具工房、いろんな木づかいを見ることもできる。

旭川だからできること。

こんな素敵なまちなんだと、大人になって思い出してほしいし、このまちの文化を大切にできる人が増えるといいな。
ちっちゃな端箱から、自然や産業、私たちが住む地域を伝えていきたい。

2021年6月8日火曜日

ビンゴづくり実習(旭大幼教実習より) 2021.6.7



大学の実習指導中、サクラがきれいに咲いていました。毎年のことですが、旭川大学の中庭のサクラ、本当にきれいなんです。
でもね、学生さんたちはあまり興味がないようで(笑)

どうしたら興味を持ってくれるのか?というので、数えてみました。

サクラの花びら、何枚あったと思います??
なんと、1輪に145枚もの花びらがついていました。
50枚ぐらいかなーと思って数えだしたのですが、こんなにたくさんついてました。

旭大幼教の学生さんたちとの実習も今日で終わり。
今年もおもしろいビンゴカードがいっぱいできた。

今年からは3~4人1チームにしたことと、カードを作ってやってみて終わりではなく、それをちゃんとふりかえってブラッシュアップするという形にした。
さらに、外活動が終わって、どんな振り返りをするかも考えてもらった。
昨年までと比べると、かなり盛りだくさんな実習となったと思う。

カードを作って、実際にやってみると、想定外が起こる。
たとえば、フワフワしたものといえば、タンポポの綿毛と思っていたが、雨降りのため綿毛は飛んでいない、そこで見つけたのは雲やコケだったり、お天気や場所の使い方で見える景色は全く違うものになる。だから、外活動は楽しいとも思うが、それを本当に楽しめるようになれたのは私自身もここ数年だと思う。ゲームのやり方をしっかりと伝える、見つけたものをシェアしてどこに興味が向いているのかを探る、興味のあることをふりかえりに使う・・・・こんなにたくさんの段取りが頭の中をグルグル回っていては、子供たちと一緒に楽しむ余裕などあるわけがない。

ここで学生さんたちが作ったカードを紹介できないのは 残念だが、彼女たちのアイディアの一部を紹介したい。

・ビンゴのコンテンツ
   自分の背より小さい樹、手のひらより大きい葉
   人の落とし物
   くさい木の実、くさい葉っぱ
   もしゃもしゃ
   夏のにおい

・ビンゴ終了後のふりかえりで何をするか
   歌う、絵本を読む   絵本は「からすのぱんやさん」が人気
   枝や葉っぱを使って製作

大きい◎◎、小さい◎◎というコンテンツはよくあるのだが、自分の手や背と比べて大きい小さいという比べるという要素が入っているのはわかりやすくて面白い。
くさい◎◎、夏のにおい、どんなものを探すんだろう・・・これ、やってみよう(笑)
人の落とし物~ゴミ拾いをして、ゴミについて考えてもらうというプログラムもいいね。
ふりかえりのプランも歌や絵本、絵を描いたり工作したりなどの制作とつなげるなど、ビンゴだけで終わらない、もっと広げる工夫を考えてくれた。

これから子供にかかわる仕事をしていく彼女たちに、自然の面白さとそれを伝える手法について実習指導をさせていただくようになって5年が過ぎた。
最初は大学生ってどう話せばいいのか、何を見せたらいいのか手探りで始めたが、私にできることは現場で使えることを提案する、実際にやってみたらどうなのかを体験してもらうということ、それでいいのかなと最近は思う。
学んだのは彼女たちではなく、私自身なのだと思う。教えるって、たぶんそういうこと。

子供たちに考える、気づく、広げる面白さを伝えたくてやってきた仕事。
一年間に出会える子供たちの数も限られる中で、大学や免許講習などで保育にかかわる大人にも伝えることができるというのは本当にありがたい。

園庭や公園、街路樹を見ても多様でおもしろいものがたくさんある。
当たり前の景色に足を止めてくれる人が増えていくように、これからも学び続けていたい。

実習で使用したパワポはこちら

2021年5月26日水曜日

樹の花、見えるかな? 2021.5.26

 昨日は突然の豪雨、ヒョウも降ったのに、今日はこんなにいいお天気。
年間30回ほど外活動を担当していますが、雨に当たるのは1回あるかないか。
なのに今年は、4月の免許講習、昨日と、もう2回も雨プロ発動!
雨でも、風でも、吹雪でも、受けた仕事はその日に何とかする、というのが幼稚園とのお約束。子供たちだけでなく、天気にも試されてます(-_-;)

昨日は雨で外活動ができなかったので、室内学習になりました。
大谷さくら幼稚園の年少さん18名。
まずは絵で葉っぱを見てもらい、本物の葉っぱを観察(10倍ルーペ)、折り紙で葉っぱを作るというプログラム、どこまでできるかなぁーと様子を見ながら進めてみました。
2つのカードを合わせて15種類の葉っぱを作るというゲーム、なんと、できちゃいました。そして、片目で見るのは難しいかとおもいきや、それもできちゃいました。(ビックリ!) mockの話は長くなりそうなので、また別の機会にします。

さてさて、「木にも花が咲く。見たことある?」と聞くと、大人も子供も「桜!」と答えますが、桜以外は?と言うと、みんな黙ってしまいます。

樹木はマイペースなので、花が咲く時期も様々です。
先週の神楽岡公園ではイタヤカエデやヤマモミジ、ハウチワカエデが満開でしたが、今週みてみると、花は落ち、タネができていました。早っ!!


毎年、写真に撮りたいと思いながら撮れずにいるのが、イチョウとミズナラ

銀杏とドングリのはじまりを見たことがありません。
















昨日も雄花は見ることができましたが、雌花には出会えず・・・・

旭川大学の中庭は、ハルニレの翼果がいっぱい落ちていました。葉っぱよりも先にタネができるなんて、ハルニレさんはせっかち??
ナナカマド、エゾノコリンゴも白い花をいっぱいつけていました。とてもきれいです。










わざわざ公園に行かなくても、樹木観察ができるのが旭川のいいところ。
末広のコープ店舗前の道は、実業高校から降りてくる(通称実高坂)道はエンジュ、それに交差する道はツリバナとアカナラ。(ローカルな話題でごめんなさい)



























ツリバナは今週中が見ごろ。エンジュは子供たちが夏休みに入るころ咲きます。

ちなみに、これから咲くのは
 ニセアカシア
 シナノキ、オオバボダイジュ・・・クリスタルホール正面入り口前、サイパル裏
 ホオノキ・・・・・神楽岡公園
 ハクウンボク・・・・・嵐山公園
 ヤマボウシ・・・・・おぴった横
などなど。
樹の花もキレイですよ。
ぜひお散歩してみてください。

2021年2月7日日曜日

冬の活動ふりかえり

今シーズンは、根雪になるのが遅かったので、1月の活動はどうなることかと心配したけど、冬休み明けには例年並みの積雪量となり、楽しく冬の活動ができました。

冬のプログラム、少しだけ紹介します。

その1 冬=雪がいっぱい=カンジキで歩こう!
カンジキというと、木製のものを想像するのは50代以上でしょうかね。今ではプラスチックでできたスノーシューというおしゃれな呼び方になっています。でも、あえて、カンジキと言います(笑)

子供用のカンジキってあまりニーズがないようで探すのも一苦労。
足の小さい順に左から3タイプのものを使っていますが、真ん中のが幅が細く歩きやすいようですね。
子供たちの日常の歩き方を見ていると、後ろへ蹴るような歩き方が多いようなので、カンジキ歩きは、しっかりと足を上げて、かかとから落とす、右足と左足の間は広く。お友達とも少し離れて歩かないと、カンジキ踏んじゃうよと最初にお話しします。そうすると、すこしは気を付けてくれるのか、転んだりカンジキ外れたーという子も少なくなるようです。
カンジキをはいて、普段は入っていけないような誰も踏み荒らしていないところを歩きます。枝についているタネを観察したり、キツネやリスの足跡を追いかけたり・・・・
30分も歩くと、ヘトヘトになりますが、歩くだけでも楽しいみたいですね。

その2 いきものたちは冬はどうしてるの??
幼稚園の活動は神楽岡公園の広葉樹林をよく使わせていただいています。夏や秋の活動で、リスに出会ったり、リスがいなくても食痕からリスのお話を聞かせたりなどをしているので、エゾリスは冬はどうしてるんだろう・・・ということも子供たちに考えてもらいます。
「冬眠してる?」「いや、冬眠しないんじゃない?」
冬眠しないとしたら、どこにいるのかなぁ、ごはんはどうしてるのかなぁ・・・
「雪食べてる!」「いや、巣にドングリ隠してる」「食べなくてもいいんじゃない?」
子供たちなりにいろんなことを考えるんだなぁと感心します。

















じゃあ、これは? と、写真を何枚か見せて、リスは埋めたドングリを探して食べている、という答えにつなげます。で、終わりではなくて・・・・・
「じゃあ、リスになって、ドングリを探そう! リスさんに変身!」
と声をかけると、みんな夢中で穴掘りが始まります。
最初はそれぞれ自由に掘っていますが、そのうち、協力して3人ぐらいで掘り出したり、何か使えるものはないかと枝を探しに行ったり。ここの場所は自分たちが歩いたから硬くなってるから掘りやすいところでやろうと場所を移動したり。何とか地面まで掘りたいと思うから、いろんなことを考えるものですね(笑) そんな子供たちを見ている時間が一番楽しいです。
最後は、「エゾリスはね、ドングリのありかを鼻(匂い)で探して、地面の中まで掘るんだーすごいね。みんなはできる??」と聞くと、できない。リスさんすごいねーという話になります。でもね、どうやって掘ろうか相談したり、みんなで力を合わせて掘ったり、みんなもすごいよと言うと、嬉しそうにします。
ただ、穴を掘るというシンプルなものですが、野生のいきものと自分たちの違い、面白いなぁ、学びたいなぁと思ってくれたらいいなと思います。

その3 冬だからできること!
雪とか氷で何かできないか?というので、”タオル凍らせチャレンジ”やってみました。
お湯を入れたバケツにフェイスタオルを入れて、
「この温かいタオル、凍らせたいんだけど、どうしたらいいかな?」
雪につける、雪の中に埋める! (やっぱりきた!)
「もっと簡単にできるけど、100秒でできるから、数えてくれる?」
子供たちが1,2,3,4,・・・・・と数えている間に、先生たちはタオルをぐるぐる振り回す。途中、数字があやしかったけど、100数え終わったら、なんと、タオルは凍ってる!上に向けてもピンと立ってる!(写真がなくてごめんなさい)
大人も子供もうわぁーー 意外と簡単にできます(笑)
「雪の中にじーっと埋まってるのと、風の強い日に外を歩くのと、どっちが寒いと思う?」
「風!」 よくできました!
凍れる(気温が低い)=寒い だけじゃなくて、風が弱い強いっていうのも大事なんだね。

その4 白いかくれんぼ、大好き大事探し
ネイチャゲームの「自然の大好き大事探し」は、元気な年中さんのウォーミングアップにはぴったりのアクティビティーです。
「探す時間は何秒にしようか?」
30秒! 60秒! えーっ、そんなにいっぱい数えられないよー
ということでたいていは15秒、20秒とします。
夏バージョンは拾ってこれるものもたくさんありますが、冬バージョンは
「葉っぱ」「えだ」「むし」「こおり」「ドングリ」などなど
葉っぱ、枝は拾ってくるけど、問題は「むし」
大人と違い、いないと思いつつも探しには行く。でも戻ってきたら「いるわけなーい」のブーイング! でもこっちも負けないよ「なんでいないの?」と逆に聞く。
「虫さんたちはどこへ行ったの?クイズ」
1.土の中で寝てる  2.木の上に避難してる  3。死んじゃった
子供たちの答えはだいたい1か2。もしかしたら3かもしれないと思っている子が大多数。
ここは一概には言えないので、幼稚園の図鑑で調べてみて!と話す。
でも、興味を持つ子も多く、その後の自由遊びの時間には、
「あの穴はだれのおうち?」「くものすあったけど、くもいるのかな?」「おうちの中にはクモいるよね」などなど、話はどこまでも続く。
グローイングアップワイルドの「かわいいかくれんぼ」
夏でも冬でも導入にはよく使うプログラムです。
夏場は毛虫に見立てたモールや、紙などで作った葉っぱを使い、冬はスポンジや白いプラスチック製品(コップや歯ブラシなど)を使っていましたが、大塚さんが、いきものを学ぶ導入なので、いきものを使っては?とやってみると、これが好評で、今年はコレでやってます。




















いきもののイラストをパウチしたものです。
雪の壁に埋めて、体の一部だけ見えるようにしたりなどいろいろやってますが、子供たちには簡単に見つけられてしまいます(笑)
色や大きさ、まだまだ工夫が必要ですね。

先週末の年中さんの活動では、リスとキツネの足跡を見せて、それをマネしてみよう!ということで、やってもらいました。
園庭でやるので、足跡を作るのに、さて何を使おうかと・・・・
キツネ足跡 ⇒ ストックで一直線
リス足跡  ⇒ まごのて2本で
「まごのて」とは背中をかきかきする、アレです(笑) ちょうどいい大きさです。お試しあれ。
リス歩きは、ぴょんぴょん両足をそろえて跳ぶというやつで、みんながすぐにできました。
問題はキツネ。
なんですが・・・ほとんどの子が赤ちゃんハイハイしてました(笑)
その中に、3人の子が固まったまま動きません。何してるのか?ちょっと観察してみよう。
「何でまっすぐなんだろう・・・」「1本足じゃないのに」「どうしたらまっすぐになるんだろう・・・」 いろいろやっているうちに、モデル歩きにたどり着く。




















でも、手(前足)はどうしようか・・・・
あっ、同じところ歩けばいいんだ!   正解!お見事!

某幼稚園の年中さん(4歳児)18人中3名が正解。
4歳児でもわかる?いや、小学生でも苦戦するはず。
すごいねぇ。

たくさんの知識を詰め込むことも大事だけど、一つのことをじっくりと考える時間も大事にしてあげたい。
できないのではなく、考える、取り組む時間が足りないのかも・・・・
たくさんのプログラムをこなすよりも、一つのプログラムをじっくりとやりたい。
そんな活動のカタチが見えてきました。

活動の様子は各幼稚園のブログをご覧ください
ひまわり幼稚園 http://hmwr-kindergarten.blogspot.com/2021/01/blog-post_57.html
きくし幼稚園 FBページ 「森の幼稚園」1/22

2020年11月4日水曜日

できる!できない?想定外(笑)

 秋の活動が一段落したのでふりかえりを。
今年は運動会が秋になった影響もアリ、この一ヶ月で14回の外活動。最後の一週間は毎日外! 倒れずに乗り切れてホッとしています。

現在、コドモリくらすが環境教育を担当する幼稚園は6園。
いずれの幼稚園も年に1回ではなく、3~4回のプログラムをさせていただいています。
6月の運動会終わりぐらいから活動が始まって、夏、秋、冬と活動が続きます。回を重ねるたびに子供たちの様子もわかり、少しずつレベルアップしていきます。

子供たちにとって難しい活動とは、
 ・ルーペやフレームなど、道具やツールをうまくつかえないと成り立たないもの
 ・探しに行く~集合するなど、動と静が混在するもの
 ・よーく見る、探すなど、じっくり静かにする活動
 ・順番を待つ、静かにするなど、ルールを守らないとできないアクティビティー
などなど、できるできないは経験値によるものが大きいと思います。
この学年ならこのレベルというのも一概にはいえないし、普段そういう活動をやったことがあれば、思いのほかすんなりとできるときもあったり。
この子達はできるかな?というこちらの観察眼が問われているようで・・・・(笑)
子供たちは自然を観察する、その子供たちを観察する私たちの目もしっかりと準備しておかなければ充実した活動にはなりません。

この一週間の活動で起きた”想定外”をご紹介します。

その1 年少さんでもルーペOK!
普通のルーペ(2~3倍に見える)を持たせて森で観察というのは今までもやってきましたが、年少さんに10倍ルーペを使わせてみたのは初めて。急遽の雨プロ対応で、できるかなーと思いつつやってみました。
普通のルーペは、裸眼で見えるので、ルーペを上手に使えなくても見えるという安心感がありますが、この10倍ルーペ、肉眼で見る景色と全く違うものが見えるので、ちょっと心配していました。「葉っぱを置いて、その上にルーペを置く。片目をつぶる、できない人は片目を手で押さえる。そして見てごらん」と声をかけると、「うわぁー気持ち悪い」「毛はえてる!」「虫いた!」 ちゃんと見えていました。

その2 自由に探しても20秒で戻ってくる
じっくりと観察というのが難しい時に、探すゲームをします。
私が指定したものを20秒で探して、戻ってくるというもの。
見つけても見つけられなくても20秒経ったら戻ってくるという約束をします。
「赤い葉っぱ探してきて!」 20秒数えます。
集合したら、「赤い葉っぱ、お友達と比べっこして、見つけられなかったお友達に見せてあげて。(10秒ぐらい見せ合う)次を探しに行くから、葉っぱさんさよならー(捨てる)」
という感じで、葉っぱやドングリなど拾ってこれるものを中心に、テンポよく何度か繰り返します。
この活動は、どこに何があるのかを知る、自分はわからなくてもお友達が持っているものから知ることができる、とにかく走り回りたい、動きたい子たちのウォーミングアップになります。ただし、20秒で戻ってくるというのが基本。何秒にする?というのも子供たちに決めさせます。自由に行かせて、ちゃんと戻ってくるのか?心配しちゃう子たちもいますが、やってみると意外や意外。走り回りたい気持ちよりも、1番に見つけたい気持ちの方が勝つようです。見つけたら急いで帰ってきます。

その3 年中さん、探し方も成長してました。
この秋のプログラムでは、大きなビンゴ合戦をしました。クラス対抗で、25マスのビンゴをするというもの。
まずは2人ずつ探してもらいましたが、後半は自由に。とにかくコンプリートするぞ!という感じで、色んなものを拾ってくる。
”いきもののあと”というコンテンツで、リスの食痕を拾ってきた子たち。
すでにほかのお友達が拾ったものが貼ってある。なんだあったのかと寂しそうに捨てたかと思ったら、「これっていいにおいしない?」と言い出し、”いいにおい”のところへ。それを見ていた子たちも、赤い葉っぱをもってきて、”赤い葉っぱ”が既にあると、「これ、つるつるしてる、穴もあいてるから誰か食べたよきっと!」と言い出し、コンテンツにあるものを探すから、探したものをコンテンツにあてはめるという活動に進化させていた。
探し方もこうやって進化するんだと感心した。

その4 ドングリ笛は作るのも鳴らすのも難しい!
ドングリに穴をあけて笛をつくるというプログラム。
太めのドリルで穴をあけ、針金で回りをホジホジ。掘ったくずをかき出すのと、周りを広げることで音が出やすくなります。
地道な作業で、子供たちはどうだろう?と思っていました。
最初の10分はみんな無言でホジホジ。そこから飽きてきた、待ちきれないお友達は鳴らしてみる。ところが鳴らすのも難しい。あとの10分は、掘るか鳴らすか自由にチャレンジ。
作り始めて25分、走り出す子もなく、投げ出す子もなく、ドングリに集中する子供たち。
持ち帰って翌日先生に、昨日お家で笛できた~と嬉しそうに話す子もいたよう。
子供たちの姿に、先生も私たちもビックリ。音が出せた子の嬉しそうな顔が忘れられません。

年少さんは、歩くのも大変というレベルから始まって、探す・見つける面白さを体感する、それは何なのか考えてみる、ちょっとだけお話を聞けるというぐらいのところを目指しています。

年中さんになると、決められたものを探す、ルーペで見たり、分解したりしてよく観察する、いきものの生態や樹木のお話を聞いて考えてみる、見つけたもの、感じたことをシェアする、ぐらいまで進化します。

年長さんになると、樹木や生き物、季節の移り変わりを体感し、それを理解することができ、お友達と協力して何かをする、互いに教えあう、学びあうことができるところまで視野を広げることができるようになります。

だいたいこれぐらいの目安で、学年に合ったプログラムつくります。

この秋、一番印象に残ったのは、ある年長さんの活動で、葉っぱシャワーしたりして葉っぱをいっぱい散らかしたあとのこと。
活動の最後にはふりかえりとして少しだけお話をします。
この日は、葉っぱのシャワーと葉っぱの上に寝て葉っぱのおふとんをかけてみました。
お布団に寝てみた子にどうだった?と聞いたら、葉っぱの中は暖かかったと答えたので、
「秋のあとは冬になる。雪が降ったら寒いよね。樹はどうだろう?樹は葉っぱを落として冬眠する。根っこが出ているところは寒くないかな?」という話をしたら、根の周りに葉っぱを集めて、これで寒くないねと。

こういう気持ちを大事に育てたい。
自分達が自然からいただくことばかりでなく、自分たちが森や樹やいきもののためにできることもあるんじゃないかと。広くモノを観じることができるようになったらいいなと思う。

子供たちのこんな素敵な姿や発想に出会えることに感謝です。

活動の様子は各幼稚園がブログやFBで発信していますのでご興味のある方は以下をごらんください。
 きくし幼稚園 FB(森の幼稚園)
 ひまわり幼稚園 ブログ http://hmwr-kindergarten.blogspot.com/2020/09/in929.html
 

2020年9月5日土曜日

秋の公園でできること その1(ビンゴ)

 今年は、コロナで休み、異常な暑さで外活動が中止になるなど・・・いろんなことが起きる年なんだなぁと思います。

幼稚園の活動も、6月から恐る恐る始まりましたが、少しずつですがペースを取り戻しつつあります。

 秋、おススメの活動として、「ビンゴ」を紹介します。

 色々なシーンでビンゴはやっていると思いますが、コレ、意外と奥が深いんです。

 たとえば、子供たち一人一枚ずつ、カードを持たせて、自由に探してねと伝えます。するとどうなるかというと、

自由に好きなところへ行ってしまう
  一人では探せなくてボーっと立っている
  どんどん一人で見つけていく
  他のことに興味を持ち遊びだす・・・・などなど

「自由」って難しいですよね。30人の子供たちに大人が2~3人、それぞれが自由にされてはフォローするのはかなり難しいですね。

 私たちの活動では、20~50人の幼児を相手にするので、ビンゴゲームも段階的に実施しています。

 最初は、大きな紙(A1ぐらい)にあるものをクラスみんなで探すビンゴ。
      場所や時間を限定するので、できなくてもOK、次々探すので、できた、で
      きないをふりかえっているヒマを与えない。

次に、持ち歩けるぐらいの紙(A3ぐらい)で、グループ(4~6人)で探すビンゴ
      グループで順番に探しに行く、またはグループで分担して探す、協力する、
      お友達が探してくるものをよく見る、などの効果あり。
       (サポートの大人が少ない時でもできる)

 年少さん~年中さんの夏ぐらいまでにここまでできて、年中の秋ぐらいから一人1枚、カードを持たせてビンゴをします。一人一枚カードを持たせますが、「一人で自由に」とは言いません。「一人で自由に」よりも「グループで一緒に」の方が学ぶことが多く、安全管理もしやすいと考えます。


 先日もある幼稚園の年中さんの活動でビンゴをしました。1グループ4人の子供+大人1人という編成で、「見つけたらシェアしてね。お友達がそれ違うんじゃないって言ったら◎はつかないよ」というお約束をします。最初は大人が誘導してくれます。年中さんには文字を読むのも難しい子もいます。なので、〇〇探してみようか?あっち行ってみようか?など、1つでも2つでも見つけて自信をつけて、次へ進むことができるようサポートします。そうしていくうちに、子供たちは上手に探してシェアできるようになりました。たった20分の活動でしたが、16個のコンテンツのうち、ほとんどのチームが10個以上を見つけました。
 この日は、午後のふりかえりでタネの話をしようと思っていたので、コンテンツに「たね」を入れ、午後はタネを作って飛ばしてみる、という活動をしました。

 やり方だけでなく、コンテンツを何にするか?というのも重要ですね。

 ネイチャーゲームのフィールドビンゴやキッズビンゴなどのカードを使うこともありますが、そこのフィールドに合わせて、カードを作ることもよくあります。

 この場合、私たちが心がけていることは、

   ・探し方のバランス
      目で探すものばかりではなく、においや音(耳や鼻)、手触りなども入れる。

   ・探すものの範囲を広げる、狭める
      黄色いもの or 黄色い葉っぱ とするか。
      ドングリ or 木の実 とするか。

   ・表現の工夫(形容詞、オノマトペも使う)
      ギザギザ、フワフワ、冷たい、温かいなど、感じ方に個体差があるもの。

   ・見つけられる(あるもの)ばかりではなく、ないものも入れる。
      夏にはあるけど冬にはないもの、水辺にはいるけどそこにはいないもの。

 冬にキッズビンゴをやった時のこと。

 チクチク、フワフワ、いいにおい、鳥の声など9つのうち8つまでは順調に探せました。残る一つは「アリ」 冬にアリがいるわけないよー 冬は土の中にいるから、雪を掘ってみようか? 違うよ、死んじゃうんだよー などなど、いろんな意見が出ました。こうやって子供たちと話している時間が一番楽しいです。最後にみんなが納得したのが、「春になったら探しに来てコンプリートする!」 なるほど! そうきたか・・・・全く私の想定を超えていました()

 こんなことを経験してからは、絶対ないと子供たちが思っているようなものを必ず1つ入れるようにしています。生き物だけじゃなくて、木の実とか花とかも入れます。タンポポがないと、枯れたんじゃない、さっき、草刈りしてたからないんだとか。木の実を入れたときは、ボロボロになった去年の木の実や、リスが食べたクルミの殻を探してきました。こういう柔軟な発想ができるのも幼児のいいところです。

 明日はどんな発見に出会えるのか・・・

 ワクワクしながら子供たちとビンゴを楽しんでみませんか?



こんなカードも販売しているようです、ご参考まで。

詳しくは・・・

ネイチャーゲームWEBショップhttps://www.naturegame.or.jp/shop/