今年の旭川短大幼児教育科の実習は、ネイチャーゲームのフィールドビンゴを体験して、ビンゴカードを作るというもの。
もりねっとの活動では、幼児や小学生と色んなやり方でビンゴを楽しんでいます。
一人1枚カードを持つ、大きなカードに拾ったものを並べるなどなど、時間と場所でやり方を考えます。
ビンゴゲームは、見つけて1列作ることが目的ではありません。
それだけのものであれば、そんな難しいしかけを考える必要はなく、ただカードを配って、個人個人でやってね、と言えばいいのですから。
モノをよーく見る・・・・・・・・
角度を変えたり、ルーペで見たりすることで今までとは違う何かに気づく
小さな疑問に付き合う・・・
なぜ?どうして?どうなるの? 比べたり想像したりすることから視野を広げる
感性を共有する・・・・・・・・
これでいい?とグループ内で合意形成することで、自分にはない感性、自分にはない視点を得る
ビンゴカードは、こんな体験ができるツールだと考えています。
ただ、そうなるためにはやり方やカードの内容などの仕掛けが必要です。
今回の実習でも、コンテンツづくりについては、言葉の使い方、見せ方などについてもお話しました。
コンテンツは、色やカタチ、ギザギザ、フワフワなどの形容詞、いきものやはっぱなど。
赤いもの、赤い花など、季節やフィールドの状況を見て考えます。
答えがいっぱいあるものと、答えが一つしかないもののバランスも大事。
たとえば・・・・「くものす」
クモノスとすると、くものすそのものでしかないのですが、「すみか」とすると、樹や地面に空いた穴を見つける子もいます。
「すみか」を発想する面白さを教えるのか、「くものす」を見つけて、くもを観察するのか、次の活動を考えたコンテンツづくりが必要です。
探して終わりではなく、つぎの活動や次の季節につなげるような振り返りも子供たちの興味を継続させるのも重要なポイントです。
ある冬の活動では、「アリ」というコンテンツだけ見つけることができませんでした。
冬なのでアリはいない・・・ということは子供たちも理解しているというところまでは想定していました。
「じゃあ、アリさんはどこに行ったんだろう・・・・」と聞くと、土の中、樹の中で寝てると答え、春になったらまた探しに来る!と、ここまでを子供たち自ら考えてくれました。
ナイものをコンテンツとして扱うのも、なぜナイのか、いつならアルのかを話し合うきっかけになります。
今回、学生さんたちが作ったビンゴカードです。
子供たちが喜びそうなカードがたくさんあります。
こんなの持ってお散歩行ったら楽しいだろうなぁ・・・
こちらは雨の日対策で私が作ったビンゴカード。
雨だったら、大学の廊下でビンゴをしようと思って。
清水先生のお部屋の前には、木とか葉っぱとかいろいろあったし、非常口はたぶんどこかにあるよね。
ポスターとか掲示物もあるだろうから、女の人(動かない美人)や赤いもの、数字は見つけられるかな?
ムシは、見つけたらラッキー(クモぐらいいなかな?)
落し物は雨の日なら足跡もどこかについてそう・・・
こんなことを想像しながら作りました。
結局、お天気よかったので使いませんでしたが....
このカードを作りながら、ふと思った(私の気づき)は、
・非常口のマークって、いろいろあるんじゃないか? 調べてみたら、国によっても違いました。
・室内で虫といえば、クモ? クモの巣って、高いところにあるのはどうしてだろう?
・木の実はないよね。自然のもの? 自然といえば、木製品や植栽はあるかな?
給食にクルミやリンゴは出てくるかも?
・落し物はいろいろあるよね。包み紙、髪の毛なんかも落し物?
気づく、調べる、知る。この繰り返しが楽しくなります。
室内でも野外でも、探すことから何かに気づく、考えるという活動に使えるビンゴカード。
色んな活動で使ってみてくださいね。