あさひかわで見つけた草花や樹木を紹介します。
ナナカマド、イタヤ、カツラ、ミズナラ・・・・咲く時期、生る時期、北国の樹木はマイペース!
エゾリス、キタキツネ、アカゲラにヤマバト・・・・不思議で個性的な生き物や鳥。

自然って、意外とおもしろいかも?


2020年11月4日水曜日

できる!できない?想定外(笑)

 秋の活動が一段落したのでふりかえりを。
今年は運動会が秋になった影響もアリ、この一ヶ月で14回の外活動。最後の一週間は毎日外! 倒れずに乗り切れてホッとしています。

現在、コドモリくらすが環境教育を担当する幼稚園は6園。
いずれの幼稚園も年に1回ではなく、3~4回のプログラムをさせていただいています。
6月の運動会終わりぐらいから活動が始まって、夏、秋、冬と活動が続きます。回を重ねるたびに子供たちの様子もわかり、少しずつレベルアップしていきます。

子供たちにとって難しい活動とは、
 ・ルーペやフレームなど、道具やツールをうまくつかえないと成り立たないもの
 ・探しに行く~集合するなど、動と静が混在するもの
 ・よーく見る、探すなど、じっくり静かにする活動
 ・順番を待つ、静かにするなど、ルールを守らないとできないアクティビティー
などなど、できるできないは経験値によるものが大きいと思います。
この学年ならこのレベルというのも一概にはいえないし、普段そういう活動をやったことがあれば、思いのほかすんなりとできるときもあったり。
この子達はできるかな?というこちらの観察眼が問われているようで・・・・(笑)
子供たちは自然を観察する、その子供たちを観察する私たちの目もしっかりと準備しておかなければ充実した活動にはなりません。

この一週間の活動で起きた”想定外”をご紹介します。

その1 年少さんでもルーペOK!
普通のルーペ(2~3倍に見える)を持たせて森で観察というのは今までもやってきましたが、年少さんに10倍ルーペを使わせてみたのは初めて。急遽の雨プロ対応で、できるかなーと思いつつやってみました。
普通のルーペは、裸眼で見えるので、ルーペを上手に使えなくても見えるという安心感がありますが、この10倍ルーペ、肉眼で見る景色と全く違うものが見えるので、ちょっと心配していました。「葉っぱを置いて、その上にルーペを置く。片目をつぶる、できない人は片目を手で押さえる。そして見てごらん」と声をかけると、「うわぁー気持ち悪い」「毛はえてる!」「虫いた!」 ちゃんと見えていました。

その2 自由に探しても20秒で戻ってくる
じっくりと観察というのが難しい時に、探すゲームをします。
私が指定したものを20秒で探して、戻ってくるというもの。
見つけても見つけられなくても20秒経ったら戻ってくるという約束をします。
「赤い葉っぱ探してきて!」 20秒数えます。
集合したら、「赤い葉っぱ、お友達と比べっこして、見つけられなかったお友達に見せてあげて。(10秒ぐらい見せ合う)次を探しに行くから、葉っぱさんさよならー(捨てる)」
という感じで、葉っぱやドングリなど拾ってこれるものを中心に、テンポよく何度か繰り返します。
この活動は、どこに何があるのかを知る、自分はわからなくてもお友達が持っているものから知ることができる、とにかく走り回りたい、動きたい子たちのウォーミングアップになります。ただし、20秒で戻ってくるというのが基本。何秒にする?というのも子供たちに決めさせます。自由に行かせて、ちゃんと戻ってくるのか?心配しちゃう子たちもいますが、やってみると意外や意外。走り回りたい気持ちよりも、1番に見つけたい気持ちの方が勝つようです。見つけたら急いで帰ってきます。

その3 年中さん、探し方も成長してました。
この秋のプログラムでは、大きなビンゴ合戦をしました。クラス対抗で、25マスのビンゴをするというもの。
まずは2人ずつ探してもらいましたが、後半は自由に。とにかくコンプリートするぞ!という感じで、色んなものを拾ってくる。
”いきもののあと”というコンテンツで、リスの食痕を拾ってきた子たち。
すでにほかのお友達が拾ったものが貼ってある。なんだあったのかと寂しそうに捨てたかと思ったら、「これっていいにおいしない?」と言い出し、”いいにおい”のところへ。それを見ていた子たちも、赤い葉っぱをもってきて、”赤い葉っぱ”が既にあると、「これ、つるつるしてる、穴もあいてるから誰か食べたよきっと!」と言い出し、コンテンツにあるものを探すから、探したものをコンテンツにあてはめるという活動に進化させていた。
探し方もこうやって進化するんだと感心した。

その4 ドングリ笛は作るのも鳴らすのも難しい!
ドングリに穴をあけて笛をつくるというプログラム。
太めのドリルで穴をあけ、針金で回りをホジホジ。掘ったくずをかき出すのと、周りを広げることで音が出やすくなります。
地道な作業で、子供たちはどうだろう?と思っていました。
最初の10分はみんな無言でホジホジ。そこから飽きてきた、待ちきれないお友達は鳴らしてみる。ところが鳴らすのも難しい。あとの10分は、掘るか鳴らすか自由にチャレンジ。
作り始めて25分、走り出す子もなく、投げ出す子もなく、ドングリに集中する子供たち。
持ち帰って翌日先生に、昨日お家で笛できた~と嬉しそうに話す子もいたよう。
子供たちの姿に、先生も私たちもビックリ。音が出せた子の嬉しそうな顔が忘れられません。

年少さんは、歩くのも大変というレベルから始まって、探す・見つける面白さを体感する、それは何なのか考えてみる、ちょっとだけお話を聞けるというぐらいのところを目指しています。

年中さんになると、決められたものを探す、ルーペで見たり、分解したりしてよく観察する、いきものの生態や樹木のお話を聞いて考えてみる、見つけたもの、感じたことをシェアする、ぐらいまで進化します。

年長さんになると、樹木や生き物、季節の移り変わりを体感し、それを理解することができ、お友達と協力して何かをする、互いに教えあう、学びあうことができるところまで視野を広げることができるようになります。

だいたいこれぐらいの目安で、学年に合ったプログラムつくります。

この秋、一番印象に残ったのは、ある年長さんの活動で、葉っぱシャワーしたりして葉っぱをいっぱい散らかしたあとのこと。
活動の最後にはふりかえりとして少しだけお話をします。
この日は、葉っぱのシャワーと葉っぱの上に寝て葉っぱのおふとんをかけてみました。
お布団に寝てみた子にどうだった?と聞いたら、葉っぱの中は暖かかったと答えたので、
「秋のあとは冬になる。雪が降ったら寒いよね。樹はどうだろう?樹は葉っぱを落として冬眠する。根っこが出ているところは寒くないかな?」という話をしたら、根の周りに葉っぱを集めて、これで寒くないねと。

こういう気持ちを大事に育てたい。
自分達が自然からいただくことばかりでなく、自分たちが森や樹やいきもののためにできることもあるんじゃないかと。広くモノを観じることができるようになったらいいなと思う。

子供たちのこんな素敵な姿や発想に出会えることに感謝です。

活動の様子は各幼稚園がブログやFBで発信していますのでご興味のある方は以下をごらんください。
 きくし幼稚園 FB(森の幼稚園)
 ひまわり幼稚園 ブログ http://hmwr-kindergarten.blogspot.com/2020/09/in929.html
 

2020年9月5日土曜日

秋の公園でできること その1(ビンゴ)

 今年は、コロナで休み、異常な暑さで外活動が中止になるなど・・・いろんなことが起きる年なんだなぁと思います。

幼稚園の活動も、6月から恐る恐る始まりましたが、少しずつですがペースを取り戻しつつあります。

 秋、おススメの活動として、「ビンゴ」を紹介します。

 色々なシーンでビンゴはやっていると思いますが、コレ、意外と奥が深いんです。

 たとえば、子供たち一人一枚ずつ、カードを持たせて、自由に探してねと伝えます。するとどうなるかというと、

自由に好きなところへ行ってしまう
  一人では探せなくてボーっと立っている
  どんどん一人で見つけていく
  他のことに興味を持ち遊びだす・・・・などなど

「自由」って難しいですよね。30人の子供たちに大人が2~3人、それぞれが自由にされてはフォローするのはかなり難しいですね。

 私たちの活動では、20~50人の幼児を相手にするので、ビンゴゲームも段階的に実施しています。

 最初は、大きな紙(A1ぐらい)にあるものをクラスみんなで探すビンゴ。
      場所や時間を限定するので、できなくてもOK、次々探すので、できた、で
      きないをふりかえっているヒマを与えない。

次に、持ち歩けるぐらいの紙(A3ぐらい)で、グループ(4~6人)で探すビンゴ
      グループで順番に探しに行く、またはグループで分担して探す、協力する、
      お友達が探してくるものをよく見る、などの効果あり。
       (サポートの大人が少ない時でもできる)

 年少さん~年中さんの夏ぐらいまでにここまでできて、年中の秋ぐらいから一人1枚、カードを持たせてビンゴをします。一人一枚カードを持たせますが、「一人で自由に」とは言いません。「一人で自由に」よりも「グループで一緒に」の方が学ぶことが多く、安全管理もしやすいと考えます。


 先日もある幼稚園の年中さんの活動でビンゴをしました。1グループ4人の子供+大人1人という編成で、「見つけたらシェアしてね。お友達がそれ違うんじゃないって言ったら◎はつかないよ」というお約束をします。最初は大人が誘導してくれます。年中さんには文字を読むのも難しい子もいます。なので、〇〇探してみようか?あっち行ってみようか?など、1つでも2つでも見つけて自信をつけて、次へ進むことができるようサポートします。そうしていくうちに、子供たちは上手に探してシェアできるようになりました。たった20分の活動でしたが、16個のコンテンツのうち、ほとんどのチームが10個以上を見つけました。
 この日は、午後のふりかえりでタネの話をしようと思っていたので、コンテンツに「たね」を入れ、午後はタネを作って飛ばしてみる、という活動をしました。

 やり方だけでなく、コンテンツを何にするか?というのも重要ですね。

 ネイチャーゲームのフィールドビンゴやキッズビンゴなどのカードを使うこともありますが、そこのフィールドに合わせて、カードを作ることもよくあります。

 この場合、私たちが心がけていることは、

   ・探し方のバランス
      目で探すものばかりではなく、においや音(耳や鼻)、手触りなども入れる。

   ・探すものの範囲を広げる、狭める
      黄色いもの or 黄色い葉っぱ とするか。
      ドングリ or 木の実 とするか。

   ・表現の工夫(形容詞、オノマトペも使う)
      ギザギザ、フワフワ、冷たい、温かいなど、感じ方に個体差があるもの。

   ・見つけられる(あるもの)ばかりではなく、ないものも入れる。
      夏にはあるけど冬にはないもの、水辺にはいるけどそこにはいないもの。

 冬にキッズビンゴをやった時のこと。

 チクチク、フワフワ、いいにおい、鳥の声など9つのうち8つまでは順調に探せました。残る一つは「アリ」 冬にアリがいるわけないよー 冬は土の中にいるから、雪を掘ってみようか? 違うよ、死んじゃうんだよー などなど、いろんな意見が出ました。こうやって子供たちと話している時間が一番楽しいです。最後にみんなが納得したのが、「春になったら探しに来てコンプリートする!」 なるほど! そうきたか・・・・全く私の想定を超えていました()

 こんなことを経験してからは、絶対ないと子供たちが思っているようなものを必ず1つ入れるようにしています。生き物だけじゃなくて、木の実とか花とかも入れます。タンポポがないと、枯れたんじゃない、さっき、草刈りしてたからないんだとか。木の実を入れたときは、ボロボロになった去年の木の実や、リスが食べたクルミの殻を探してきました。こういう柔軟な発想ができるのも幼児のいいところです。

 明日はどんな発見に出会えるのか・・・

 ワクワクしながら子供たちとビンゴを楽しんでみませんか?



こんなカードも販売しているようです、ご参考まで。

詳しくは・・・

ネイチャーゲームWEBショップhttps://www.naturegame.or.jp/shop/

2020年1月12日日曜日

見える、見えない、観察の仕方~北私幼講習会より~

ブログをごらんの皆様、今年もよろしくお願いいたします。
年が明けてあっという間の10日間、何だか今年もスピード上がってます(笑)

そろそろ、冬のプログラムも考えなきゃ、ということで常盤公園を見てきました。
うーん、雪少ないですね(泣)  ベンチ見えてるし。
プログラム考え直さなきゃ


10日は、北私幼の免許更新講習のお手伝いで、50名ほどの幼稚園の先生たちとアクティビティーを体験しながら、環境教育について考えました。
今回は、ツールを使った観察の方法と体を動かしながら考える生き物プログラムを紹介しました。
講座の中でお話できたこと、ちょっと補足が必要なことなどなど、以下に書きます。

”観察” ”探す・拾う” 自然体験、環境教育と名の付く活動で一番手軽なものですね。
でも、シンプルだからこそ難しいと私は思います。
たとえば、木の葉っぱを探してきてー と言っても、草をむしってみたり、枝を持ってきたり・・・それをダメと言わずに、どう話をするのか、どう次につなげるのか・・・
難しいですよね。葉っぱの観察がしたかったのに・・・木の実にばかり目が行ってしまう子供たちに最後まで葉っぱの面白さを伝えることができなかった・・・という敗北感を味わったことも過去にはありました。(それは敗北ではないのかもしれないけど、その当時は自分の力の足りなさばかりを責めていました)

講座では、私たちが幼稚園の活動で使っているカモフラージュ写真とルーペ観察のためのありんこシートを紹介しました。
カモフラージュ写真は、先生たちも楽しそうに探していました。



この写真の中にいきものがかくれんぼしています。探してみて・・・というもの。
ガと毛虫とカエルがかくれているんですが、毛虫は難しかったようですね。
これらの写真は私がプログラムを作るために公園を歩いていて見つけたもの。
樹木をゆっくり見る機会、あんまりないですよね。でもね、じっくり樹皮を見てみると、結構いるんですよね。季節によってはセミの抜け殻がくっついてたり、生き物の卵や繭もあったりします。
幼稚園の活動では、写真の中のいきものを探すという事前講座をして、それから公園に行って虫を探したりします。先に写真を見せることで、こういうところに虫がかくれんぼしている、ということを言葉にしなくても子供たちは理解します。いつもなら地べたしか見ない3歳児でも、樹皮を一生懸命探します。

ありんこシートもルーペも好評でした♪
ルーペは使い方さえわかれば、子供たちが自由に興味を広げるツールとなります。
大きく見える、肉眼で見るのと違う、という体験をしてもらうのが近道でしょう。

皆さんの感想には、春になったらさっそくやってみます、雪の中に水垢スポンジやってみます、ルーペ買います・・・・などなど、手軽にできるところからやってみる、という感想が多かったです。
一番伝えたかったのはそれなんですよね。準備してから、学んでからではいつまでたっても始まらない。
今すぐできそうなことからやってみる、これ、一番大事なことなんです。
考えるのも学ぶのも、まずはやってみてから。あっ、安全管理だけは必要ですけどね。

もう一つの生き物プログラムについては、また後日書きます。

ここにある写真と絵ですが、どうぞプリントしてお使いください。

ネイチャー素材のダウンロードページもそのうち作ります。